日高見工務店の家造り

どうして結露するのか

【結露とは】

冬の窓ガラスにびっしりと水滴がつくのは、よく見られる光景ですが、これが結露です。
冬に寒い通りを歩いて暖かい建物に入ると、メガネが真っ白になって何も見えなくなります。
逆に、夏はエアコンのよくきいた建物から、蒸し暑い外に出たとたん、メガネが曇ります。
よく冷えたビールのジョッキにつく水滴、これも結露です。
これらに共通するのは、温度差です。暖かい空気が冷やされると結露します。

 

 

 【結露線図】

空気中に水蒸気として存在できる水の量は、温度によって決まります。暖かい空気は、水蒸気をたくさん含むことができますが、冷たい空気は少ししか水蒸気を含むことができません。

よく湿度何%といいますが、これは相対湿度といいます。その温度で限度いっぱい水蒸気を含んでいる状態が湿度100%です。温度がちがえば同じ湿度100%でも、含まれる水蒸気量がぜんぜん違います。下のグラフを見るとそれが良くわかります。
どうして結露するのか
たとえば30℃のときの湿度100%は、空気100m3中の水分量が2.8リットルに対して、10℃では0.8リットルにすぎません。すなわち、30℃で湿度100%の空気100m3が10℃まで冷やされると、2リットルの結露が生じるのです。

同じことが家の中で起こリ得ます。暖房をしている室内の空気は暖かく湿っています。特別な防湿層がなければ、それが壁の中に侵入します。グラスウールの内部に入ると、そこは温度が低くなっているので冷やされ結露します。

グラフの例は、20℃で湿度40%の空気でも、冷やされて9℃になると湿度が100%になり、それより温度が下がると結露が始まるというもの。
これが頭に入っていると、結露の現象が良くわかります。

それから、水蒸気の移動の仕方ですが、お下品な例で申し訳ないですが、すかしっ屁が風もないのに部屋中に広がるのと同じと考えたらわかりやすいと思います。空気中の濃度(水蒸気量)が均一になるように拡散移動します。家の中で、同じ水蒸気量であも、温度の高い部屋は湿度が低くなって、冷えている部屋は湿度が高くなります。北側の寒い部屋の押入や、たんすの裏の結露がひどくて、いつの間にかカビだらけという現象が、これでよく説明できます。

 

 

【ストーブから水蒸気?】

やかんから水蒸気は誰でも容易に理解できますが、ストーブから大量の水蒸気が出ることを意識している人は少ないようです。

灯油やプロパンガスなどの燃料は、炭素と水素からできています。燃焼すると二酸化炭素と水が発生します。灯油が1リットル燃焼すると、ほぼ水1リットル分の水蒸気が発生します。

室内で燃焼するタイプのストーブ(石油ファンヒーターやポット型ストーブ)で暖房して、仮に1日5リットルの灯油を消費すると、家の中で水5リットル分の水蒸気を発生させたことになります。やかんよりも大量の水蒸気が出るのです。この水蒸気は一体どこに行くのでしょうか?

 

 

【壁内結露】

壁に小さな隙間があると、そこからスースー冷たい隙間風が吹き込んでくるのは、経験があるかと思います。吹き込んでくる隙間風があれば、当然出て行く風もあるはずです。出て行く風は暖かいわけですから、冷たいところに触れればそこで結露します。

カナダR?2000という、世界で一番レベルの高いといわれる高気密・高断熱のマニュアルがあります。カナダですから当然ツーバイフォーですが、気密性能基準が0.8cm2/m2というのは、当時の日本のレベルでは相当にインパクトが強く、その手法は日本の在来工法の高気密・高断熱を開発するときに参考にされたといわれています。

その中に壁内結露の参考データがあります。2cm×2cmの穴が開いていて、スースー風が抜けていくと、一冬でなんと水30リットル分の水蒸気が移動していると言うのです。 石こうボードや合板など壁に穴がない状態であれば、1m×1mの面積があっても拡散による水蒸気の移動は一冬でわずか1/3リットルであるといいます。いかに隙間が結露に対して影響が大きいかがお分かりかと思います。

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