「光熱費ゼロ = ゼロエネ」 ではない。
ゼロエネは、エネルギー収支で判断する。
光熱費ゼロはインパクトがあり、わかりやすいので、どうしてもそちらに目を奪われてしまうのですが、お気づきのように 「光熱費ゼロ = ゼロエネ」 ではありません。今のところ太陽光発電の売電価格が高目に設定されているので、エネルギー消費がけっこう多くても売電金額の大きさで容易に光熱費ゼロになったりするのです。今後は太陽光の売電価格は下がってくるので、光熱費ゼロだけに目を奪われると10年後は光熱費が大きなマイナスになっているかもしれません。
ゼロエネルギーは、あくまでもエネルギー収支で判断しなければいけません。家全体の消費エネルギーが、創エネルギー(太陽光発電)より小さいとき、ゼロエネルギーと言えます。
それを実現するために、できるだけ省エネの工夫をすることと、太陽光発電をできるだけたくさん設置することが必要です。快適に健康的に住むことが第一なので、暑さ寒さを我慢する省エネは除外したいと思います。
岩手のような寒冷地は、暖房エネルギーがたくさん必要だったり、ヒートポンプの効率が下がったり、太陽光発電の発電量が少なかったり、日射の取得が少なかったりで、温暖地より圧倒的に不利です。そのため、より建築的な工夫が必要になってきます。
もはや夢ではありません。
岩手で普通にゼロエネルギー住宅が実現しています。
国は、エネルギー消費の削減と地球温暖化対策のため、2020年までに標準的な新築住宅をゼロエネルギーにする、2030年までに新築住宅の平均をゼロエネルギーにするという計画を立てています。
日高見工務店は、Q値1.0W/m2K以下のドット認証住宅をベースに、ゼロエネルギー住宅を提案してきました。寒冷地でのゼロエネルギー住宅のデータはまだ少ないと思いますが、ほぼ計画通りの結果を得ています。
さて、エネルギーの単位ですが、家庭では、電気、都市ガス、LPG、灯油、ペレット、薪など様々なものが使われますが、それらをJ(ジュール)に換算して計算します。数字が大きくなるので、MJ(メガジュール)やGJ(ギガジュール)という単位になります。
また、一次エネルギーに換算するのがルールです。(エネルギーが、最初に地球にある時の状態が1次エネルギー)。電気は発電ロスと送電ロスで、元のエネルギーの約37%になってしまうので、約2.7倍を乗ずることになります。電気エネルギーは貴重なのです。
MJという単位は、慣れないかもしれませんがお付き合いください。
ゼロ・エネルギー住宅 |
年間光熱費 (収入) |
年間エネルギー収支 プラスエネルギー |
Ta 邸(1年間) |
199,456円 |
28,632 MJ |
Sy 邸(1年間) |
111,766円 |
-1,200 MJ |
N 邸(1年間) |
211,439円 |
43,151 MJ |
K 邸(11ヶ月経過) |
217,415円 |
34,951 MJ |
St 邸(7ヶ月経過) |
145,500円 |
35,243 MJ |
邸名をクリックすると月別のデータが見られます。
更に詳しく知りたい方は、日高見工務店までお問い合わせください。